「いやってんでしょ、このペテン師さん!」
「お前さん、もしかしてペテン師の後ろにさんをつけるとおもっちょるのか」
「え、違うの」
「違うわい」
「嘘!」
お前さんそんなななしちゃん(これまでが名前)みたいなこといいよってに
「うー……。だいたい、こないだ言ったじゃない、話しかけないでって」
「知らん」
「知らんって、あなたねえ」
「知らん」
「………はあ。で、なんで私を?」
「ブンちゃんが会いたがっとる」
「教室に帰るわ、天才くんと一緒にいるとろくなことないもの。もちろんあなたともいるとろくなことないのよね、金輪際近付かないでね、じゃ」
「なんじゃ、ブンちゃんと会ったことあるんか?」
「まあ、ね」
なんじゃ、柳といい、ブンちゃんといい、知っとるじゃないか
つうか、こいつの人脈はなんなんじゃ
「お、いたいた、仁王。お前が言ってたペテン師ってどいつだよぃ、連れてくるっていったまま何分……って、哀川友!」
「げ、げげ。……!っちょっと、離しなさいよ。人でなし、あ、チャイム鳴る!」
「放課後にチャイムもなにもないだろぃ、哀川」
「なんじゃ、やっぱり知り合いなんじゃな」
「だからそうだって言ったじゃない、………離してくれないかしら」
「離したら逃げるじゃろ」
「もちろんよ、テニス部なんかに囲まれてでもしたら、私の明日からのクラスが怖いの」
「ん? じゃあなんだよぃ、お前が仁王騙したのかよ。ププ仁王バッカー」
「なんじゃと」
「話が噛み合ってないわ」
「もとからじゃん」
「もともとそんなんじゃよ」
手を頭にやって、考えるポーズをする哀川友。ため息づいている
「というか哀川、お前学校来てたなら言えよ」
「なんであなたに言わないといけないのよ」
「友達だろ」
「とも……だ……ち? なに宇宙語喋ってのあなた。ここ日本よ」
「相変わらずヒデェ言い方するよな」
「じゃあ近付かないでよ」
「だからこの四年間まともに口もきいてねえじゃん」
「一生近付かないで欲しかったの」
学校に来てた……?
どういう意味だ、それって。まるで来てなかったように言っとる
そして四年
、中学生時代の話しになるんじゃよな
「ひっでぇ、なんだよ、まだ昔のこと引きずってんのかよ」
「うっさいわよ、天才くん。あなたの彼女にチクるわよ」
「今、付きやってる奴いねぇよ」
「はあ? ……ああ、破局したのね、破局、あんなにラブラブだったのに」
「どんだけ前の話ししてんだよ」
「ブンちゃん、彼女なんか四年間ぐらいいないだろ」
「………」
「………」
「………」
なんなんじゃよ、この重い沈黙は