「ワタクシはアンタに釈明のチャンスを与えているのよ?ワタクシの下僕になるんだったら、ワタクシを虐めていた人間達を止めなかったことを罰したりはしないわ」
「……君ねぇ」


君ってば何様のつもりなんだよ、罰するとか、さ


「もちろん、下僕になったらワタクシの為に働いてもらうわ、光栄でしょうぅ?ワタクシの下で僕として働けて、ねぇ」
「………」
「まったく、アンタみたいな平凡で貧凡な奴、普通ならお断りなのよ?運が良いわね、ワタクシに感謝してひれ伏しなさい」
「………」
「ああ、雅治達がワタクシの元に戻ってきてもちゃんと使ってアゲルから心配しないで、ワタクシ一度拾った可哀想なものはちゃんと最後まで使う主義なのよ」


……。


バックを取る。
バックといっても殆どが本しか入っていない。帰りは古本屋に行ってまた買ってこよう。どうも学校の図書室は種類にかけるところがあるよね、もっと専門書を増やしてくれればいいのに
そういえば、お金ちゃんと持ってきただろうか。ここはその人の奢りとして、専門書を買うとかなりお金を絞り取られるんだよね。



「……じゃあ、今日は楽しかったよ。ありがとう」
「ええ……ってちょっと待ちなさいよ!」
「うん?なに、ああここのお金は君もちね」
「そうじゃないわ、なにを帰ろうとしているのよアンタは」
「私は君が土下座したら帰ろと思っていたからね、別にいいじゃないのかな」
「ワタクシが話しているというのにそれなのに帰ろうっていうのですの?まったく、平凡はやっぱり愚人なのか」
「五月蝿いよ、蝿」
「なっ…」
「五月蝿いってば、口を開けないでくれるかな。君の気持ち悪い空気が私の口から入って気持ち悪いんだ、君が喋るたび、君が空気を吸うたび、君のせいで世界を汚染していっているんだよ。ゴミが喋るだなんて器用なことしないでくれるかな?」


君みたいな奴がいると世界が汚れるんだよね。
もちろん私みたいな奴がいてもね
地球温暖化なんて、そんなもの。
人間が生きている限りかわることなんてまったくない
違うな、人間が生きていても限りない
どうせ地球温暖化なんて、人間があーだこーだいっているだけで、魚達にとってはかわらないことなのだろうから


「私は君みたいな人間に手を貸すほど善人じゃないよ。植太さん、助かりたければ一人で助かりなよ。誰かに助けて貰おうだなんて片腹痛いよ。それに人を見下すな。見下した先に君にとっての天国はもうない。これからは君にとって屈辱的なものしかない、人の顔を見て判断するしかない。判断しようとするしかない。誰かに媚をうって、誰かになすりついて、自我を破壊して、プライドをねじ曲げて、行動するしかないんだよ。甘えるな」


甘えて、欲を出すな


「私は君を手伝うなんてこと死んでもしないよ」



植太麗子は私を見る。
屈辱にまみれた顔で私を見る

裏切られたとでもいうように私を見る。
アンタなんかにと苛ついた様子で私を見る。
駒を見るように私を見る。
私は
かわいそうにと彼女を見た。

それがひとつの手向けてあるような気がして、彼女を見た。

そして視線が交わって、彼女は後悔するわよ。そう言った。
確かに後悔するかもしれない
でも、私は何度同じことになっても首を縦になんかふらないだろう。


私はここで彼女と決別した


故に私はここから一般人という名も無き栄光というものから引き摺りおろされることとなるだろうなあ




(20110130≠舞台役者は頭を下げる)



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