お母さん、お母さん、彼処に悪魔がいるよ。
ほら僕をよんでいる

お父さん、お父さん、彼処に悪魔がいるよ
ほら僕を手招いている

お母さんお母さんお父さんお父さん、どうして見えないの?
ほら悪魔が僕を呼んでいる
隣の家に呼んでいる
青い頭巾を被った綺麗な悪魔が僕をよんでいる

「さあおいで」

お母さんお父さんお父さんお母さん、助けて、助けて助けて助けて

青い悪魔がぼくをよんでる










パラドックス

















「ふぅん、じゃあ赤也君はとても強いんだねぇ」

「そうなんっスよ!流石柳先輩の友達っスね!理解力が早い」
「それでそれで?君はそのあとどうしたの?」
「それがッスね」


和気藹々とお喋りする私達はほんの数分前に殺伐とした話をしていたようには思えないくらいに健全なテニスの話をしていた。どうやら赤也君、――おっと、切原君はなつくと信じて疑わないタイプらしい。
柳君の話をちょっとして、柳君の長所、短所を喋ったらすぐに携帯を見せてくれた。プライバシー云々は大丈夫なのかこの子と言いたくなる。
警戒心ゼロ過ぎるでしょう、切原君は。

頭をいろんな意味で抱えたくなるこの子だけど、でも確かに仁王君や柳君が可愛がるのが分かるぐらい実直で純粋だ。サンタクロースとか信じていそうなオーラが出ている。頭を撫でくり回したい

「――で、って、名前先輩?先輩ってば!聞いてました?今の話!」
「あ、ごめん。赤也君がかわいくてきいてなかった」
「もう、ちゃんと聞いててくださいよ!」

ぷんぷんと怒る姿もどうに入っていて愛らしい。撫でまわしていいんじゃないだろうか。ごくりと唾を飲み込みそうになる、って、なにをやっているんだ私は。

切原君を撫でまわしにきたんじゃないんだから
ブンブンと首をふってお花畑モードから移転する。


「あのさ、赤也君」
「なんですか?え!もう帰っちゃうとか?まだ下校時間じゃないじゃないですか!もう少し話しましょうよ!」
「それは嬉しいお誘いなんだけどね、私やらなくちゃいけないことがあって」
「やらなくちゃいけないこと?何ですか、それ。オレに出来ます?」
「うーん。そうだなあ」


ちょっと考えてみる。
仁王君には仲間になって貰ったけど、切原君という人は仲間になったら有効な人だろうか

柳君相手に

確かに油断は誘えそうだけれど。





  
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