疑問なんてないさ
ただ問題があるだけでね












パラドックス















柳君を探す前に、私は一応ながらもお焼香場の前にいた彼女を少し探してみた。
彼女はすぐ様見つかったが、どうやら彼女、植太さんのお父さんの会社の従業員さんらしい。

バリバリのキャリアウーマンとはいかないであろうが真面目に仕事に取り組んでいそうな雰囲気が漂っていた。

まあ、だからなんなんだという話ではあるんだよねえ。


さて、閑話休題。
本番に参りますー。
と、意気込んではみたものの柳君は数秒後に見つかった。
その時間、0.5秒。
視線をかえることなく発見出来た。
というか、柳君はあの植太さんのお父さんと普通に言葉を交わしていた。
雰囲気からして、今日意気投合してということではなさそうだ、お知り合いだったとは、うちの参謀は四方八方に顔が広いことだね。


どうしたものかな
お喋りのお邪魔虫になるのは勘弁して欲しいものだけれども、柳君には情報を取って返ってきて欲しいし、しかしながら、今すぐ私と一緒に推理ごっこに手を貸して欲しいとも思える。


柳君を垣間見ると、やはり植太さんのお父さんと和やかにとはいかないまでも警戒なく話をしていた。
そして、その後ろにいた彼女、従業員さんとも、相づちを話の途中途中で入れて貰えるぐらいには話していた。

社交性にぶっ飛んだ人なんだよねえ、柳君って。
なんというか、人間関係の心得を熟知しているというか、賢い人との関わりを知っている、というのかも知れないなあ。
ともかく、立海では希少過ぎるくらいの社会性に飛んだ人だ。

丸井君等と比べればみもふたもないぐらいに、常識的人である。

さてと、どうしたらいいのかな

家族同士で仲が悪いとはいえ、植太さんのお父さんなんだよねえ。

足を止めて柳君達を観察する。まずは気付いてくれないかなって柳君の背中を見て、その後は泳がせるように植太さんのお父さんと一歩後ろにいる従業員さんをみる。
柳君の長身(それでも縮んだらしい)から従業員さんを見つけるのは並大抵のことではなく、必然的に植太さんのお父さんをじっくりと見てしまった。

植太さんのお父さんは植太さんにそっくりで、目元の部分が特に似ている。
顔のパーツも全体的に植太さんと同じで、違うところといえば髪の長さとホクロの位置ぐらいだ






  
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