まるで世界が変わった?

それはなんの冗談だい?

世界はかわらない

変わったのは価値観だよ
人はそれを世界とは言わない










パラドックス















机はボロボロ
椅子はグチャグチャ
周りは私を見て、大丈夫と投げ掛ける。

立海の生徒はテニス部レギュラーの了解を得ない限り下手に差別はしてこない。
つまり、植太麗子以外は差別しないということだ。


私は机の上を見る。
菊の花だ
死人に向けてのお花

萎れているそれを取って悲しそうな顔をしてみせる。
やった人間はちゃん分かっている。


テニス部の指示を聞かない人、植太麗子
彼女は虐められているため、指示を聞きたくても聞けないのだ。
自分を虐めるような趣味はないらしいし



「植太さん、なのかな」


いや、本当にそうなのだけどね
だけど、周りにクラスメイトの皆さんがいる。
断定するのは危ういだろう

周りでやっぱりかとかそうなのかとか、ざわざわとした会話が流れてくる。

後悔のさせ方があざといもんだ
植太麗子さんってば、恐いねぇ



そのすぐ後にきた先生に事情を話して新品ともいえないような机と椅子を調達する。

座り心地は結構良かったけれど、使い心地は悪すぎた

新しい机には古い机に入っていた教科書やらなんやらを取り出して入れる。
入れるときに、白い紙がポロリと落ちる。

放課後、保健室に来なさい

女の子らしい、少し丸まった、でも綺麗な字。少しだけ偉そうに指定されたそれは、昔の名残なのだろうか。
テニス部ファンクラブという大きな組織のトップだったという、名残なのだろうか


でも、おかげさまで誰からの手紙かは簡単に分かった。
それにしても、手紙なんて古風なものだよね
今時は呼び出しもメールでやるところも少なくないというのに。



取り合えずその紙をポケットの中に入れて、椅子に座る。
椅子は少し震えて私が座るのに答えるようにした。




黒板を見るとどうやら一時間目は国語の古典らしい。

私は教科書を開いて、丸井君の似顔絵でも描くことにした。






  
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