「じゃあ、もう一つ」
「うん?」
「君、なんで私のベットで寝ているの?」
「あれ、ここって俺の部屋じゃなかったけ?」
「違うよ、私の部屋だ。君の部屋には【アメダスの解体の仕方】等という珍しい本はないよね?」
「……ない。アメダスの解体の仕方知って何するつもりなんだよぃ」
「さあ?どうするんだろうね」
と、話がそれた
「で、君なんでここで寝てるんだい?どうやって私の部屋に入ったの?」
「おばさんに入れて貰ったぜぃ」
おばさんというのは私を育ててくれている人のことで現在警察庁で偉く高いエリートと呼ばれるところに所属しているお偉方さんだ。出勤はかなり早く、立海テニス部の副部長とだいたい同じぐらいに出ていく。偉い人は人なりに大変なのだと教えてくれる、いい育て親の人である
「チェーンソーとか突っ込まれなかったのかい!?」
まあ、そんなおばさんが朝早くきたチェーンソー抱えた丸井君に手錠をかけなかったということはいきなりチェーンソー抱えてきたっていうわけじゃないだろうけどね
一応聞いておこう
「いや、それはおばさんが出ていってから入れたからな」
「じゃあ何故に私のベットに横たわって寝てたの?」
「眠かったから」
丸井君は毛布をゴソゴソと触って潜りこむ。
顔だけをこちらに出してじぃっと見てくる
「……ブン太、君ってねぇ」
「だって、寒いし、お前気持ち良さそうに寝てるし、ベットの上暖かそうだったしよぃ」
丸井君がしゅんとしてしまった
え、なにこの子かわいい
家で飼いたい
「俺、暇だったもん」
くしゅくしゅと頭を撫でると忠犬みたいに従順で、猫のように緩む顔。
今日見た夢の反対の関係になっているこの状態に少し笑ながら、私は時計を見つめる。
そうすると丸井君は嫌だ嫌だと言うように私の顎を自分の手で固定させて、自分を見させる。
この子、時計にまで嫉妬しているのだろうか。
妬くものが多いなぁ
安心させるように頬にキスをするとキス魔になってるみてぇじゃんと微かに笑われた。
私はそれに笑いながら、丸井君に向かって言葉を投げ掛ける
「丸井君、君のこと私は好きだよ」
「?俺も好きだよぃ、名前」
約二年前だったら、こんなことも言えないような離れた距離だったのに。
触れさえしない距離だったのに
こんなことが出来てしまうだなんてやっぱり、立海って壊れてしまったんだなと再認識してしまった
(20110204≠壊れてしまった彼の)
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