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私がテニス部マネージャーになったのは、幼馴染みの弦一郎(真田)があまりにもたるんどるとうるさかったからである。
弦一郎は見た目が老い老けているし、中身も硬派で古くさいため女子には嫌われている(怖がられているが)言っていることはかなりの正論であり、私はそれを聞くたびに私には珍しくコンプレックス―――つまりは劣等感を抱いてしまうのだ、あの弦一郎にだ、私も信じたくはなかったのだが事実である。
弦一郎は、本当は凄い人だ。昔からよく見ているから、分かっている。
あいつは秀才で自分磨きに余念がない。それにそれを威張ったりせずに、いつも眉間にシワを寄せて怒るのだ、お父さんみたいに
弦一郎に私は嫉妬したことがある
弦一郎に私は劣等感を感じたことがある
弦一郎は私に虚無感を感じさせる
弦一郎は私に無情を感じさせる
私は弦一郎が羨ましい
いつも羨ましかった
だから、あの日。
たるんどると言われた日
私は言ったのだ
「たるんでなんかいない!」
はじめて弦一郎に口答えをした。今まではなあなあであったため弦一郎はまるで夢をみているかのように目を開き私を見た
久しぶりに大声を出した
そのときは鬱憤がたまっていたのだ仕方ないだろう
弦一郎は私にではと話を持ちかける。私は弦一郎に答えた、もちろん。私はたるんでなどいない、受けてアゲルっ!と大声で頷いた
それがテニス部のマネージャーだった
立海テニス部のマネージャーと言えば地獄であるという噂しかたたない。確かにマネージャーになればレギュラー陣とは仲良くなれるだろう、しかしながらそれは別に教室でも仲良くなれるのだ、別に彼らはアイドルなどというものでもないし、テニス部でわざわざ仲良くならなくても仲良くなる方法などいくらでもある
だから、立海のテニス部マネージャーは誰一人としていなかった
マネージャー業は地獄だからだ。あれはない、一日で病院送りになった人間が何人もいる
それを弦一郎は私がたるんでいない、つまりは頑張っているという物差しとして選んだ。
あいつは一回女の子を扱う方法を柳生に聞いてこいよと思ったのは言うまでもない
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