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×××
(木)
この部誌がなんでか、広瀬についてのやつになってるんで、取り合えず俺ものっておくとするぜぃ。
きょうのあいつは……と、そういえば広瀬が最初に書いたときになんでひらがなばっかだったんだろぃ?
結構気になるぜぃ。
と、話がそれた。
今日の広瀬は、いつもと同じように仁王のファンクラブのやつに殴られて、『はっ、あの銀色め、そのうちその髪の毛黒く染めてやるぜぃ!ははははははは』みたいなテンションで教室に帰っていったぜぃ。
あー、あれは怖かった。
あとは食堂でデカ盛りを頼んでものの三十分で食べあげてた。あいつの腹は化け物か
他は、………。
……………、あいつ、なんか怒ってた、ような気がする。
もしかしたら見違いかもしんねぇけど、広瀬が俺たちのテニスを見ている時の目が、声が、そして………その、表情が
本当は俺たちのマネージャーなんかやりたくねぇんじゃねぇのかなって、思う。
そりゃあ、そうだよな。
俺たちみたいな奴らの身の回りなんて今までもこれからもし続けたいしたいなんていうやつ、いなかったもんな。
あー、そう考えるとさ、あいつっていいやつだよな。だってマネージャーになってもちゃんと仕事してくれるし、嫌がらせ受けても俺たちに言わねぇし、それになんだかんだで俺たちのことちゃんと見て、水とかお湯とかタオルとか投げてくるし
真田さ、案外見る目、あるよな。
観察者:丸井
今日の天気は晴れ
「よっ、柳生」
「丸井君ですか。どうしましたか?」
「部誌、次お前だから渡しにきたぜぃ」
「それはありがとうございます。お手数かけました」
「おう」
「で、これはどなたに渡せばいいんですか?」
「幸村君に渡せばいいと思うぜぃ。じゃあ、頼んだ」
「………。これは、これは」
(意味かわらないほど感傷的になった木曜日)
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