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×××
「あれ、どうしたの? 大丈夫かい?」
「幸村!……部長…!」
「うん、どうかしたかい?」
「私、勉強無理」
「……うーん、それは俺に言われても困るかな、勉強って、ここの努力次第だと思うし」
「勉強無理」
「……?」
困ったような表情を浮かべる幸村をよそに広瀬は真剣に幸村の方をぎぎぎと見て、手を擦り合わせるように持って
「宿題みせてくちゃ」「無理」
即答で断られていた
「……えぇぇ!」
「だって見せたら調子に乗るに決まっとる! って真田がいってたから」
「あいつぅぅう!」
「宿題してきてないの? 友里さん」
「うん」
「じゃあ、教室に戻って勉強しようか」
「それはやー!」
「子供じゃないんだから、ね?」
「いやったらいやー!絶対にやー!」
「……困ったな」
「幸村部長が宿題見せてくれるなら戻るよ?」
「それじゃあ意味がないよ」
「じゃあ交渉は決裂だね。幸村部長のバーカ」
「偏差値君よりは30上だけどね」
「な、なん、だと?!」
「信じるか信じないかはあなた次第です」
「なんかカッコイイ―!」
「(この子アホの子だ)じゃあ、とりあえず教室に戻って勉強しようか」
(火)
広瀬友里を教室にて発見。横に精市がいた。広瀬友里は机に向かっており、隣の精市は教科書を持ちながら類説丁寧に教え込んでいた。だがしかし、途中から広瀬友里が落書きを始めたため結局、宿題は間に合わず、広瀬友里は大恥をかくことになった。
7月11日
観察者:柳蓮二
「参謀」
「なんだ、仁王」
「これを真田、或いは幸村に見せるんじゃよな」
「無論だ」
「………はあ」
「どうした?」
「これは部誌じゃないじゃろ」
「? 無論、その通りだが、なにか問題でも?」
「……いいや、なかよ。…………。次は俺じゃのう」
「ああ、よろしく頼む」
(宿題に追われた火曜日)
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