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  おめでとう!







制服のままつれられてきた広瀬友里は固まった。


幸村が向かっているのはどう見ても乙女が入るようなスイーツ処



「あの、幸村様?」

「俺パフェ食べたかったんだよねぇ」

「え、あいや、それはいいと思うけどなんで私……?」

「俺はきみ以外の女の子と仲良くないからね」

「うそお」

「本当だよ、彼女とかいたことない」

「その顔で!?」

「この顔で」

「神様って凡人に平等なんだ、良かった」

「俺は良くないよ、彼女と一緒に甘いものの食べたい」

「私はその代理ですか」

「うん。そうだよ」

「がーん。言葉で絶望をあらわしてみた」

「代理というか、実験台というか」

「私はマウスピースか!」

「? マウスピースは楽器のやつだよ、いうならば、モルモットか! とかじゃない?」

「あ」

「ばーか。言葉で罵倒してみた」

「酷いぃぃい」





店の中に入ってみた


「結構雰囲気あるお店だね」

「こういうところで女の子に告白すればモテ男確定だね」

「そういうのってチャラくないかい?」

「雰囲気を大切にする男の子は私の中じゃモテ男なんだよ」

「ふーん」

「幸村くんが訊いて来たのに興味なさすぎだよ!」

「興味ないからね」

「さりげなく恋愛感情を否定された、立ち直れない」

「おいつめたぞ〜立ち上がれまい〜」

「いきなり歌い出さないで!幸村様の美声はきいていたいけどチクチク視線が突き刺さるからああぁあ!」

「そのうち穴空いちゃうかな」

「空かないよ!?」

「空かないの?」

「なんでそんなに残念そうなの!」

「じぃー」

「穴空かないってば!」


「あははっ」

「豪快に笑われた……」

「髪にゴミついているよ」

「笑うところが違うっ!」

「とってあげる」

「いえいえ大丈夫。幸村くんにとってもらうだなんて」

「黙って、動かないで、すぐとるから」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「……………あの、まだですか」

「…………」

「あの、幸村様、すぐじゃなくないですか?」

「…………」

「幸村様?あの、お顔が近くありません?」

「………広瀬さんってさあ、俺の誕生日祝ってくれるんだよね」

「はい、そりゃそうだよ」

「真田じゃなく、仁王や赤也でもなく、俺を」

「うん」

「……ありがとう。マネージャーにそんなこと言われたの初めてだったんだ。基本的にマネージャーは続かないし、続いたとしても皆俺に高いプレゼント渡してくるだけで、心がなかった感じだから、とってもうれしい」


「やばい、泣きそう」

「というドッキリー」

「違う意味で泣きそうだ!」

「といううっそー」

「結局どっちなの!?」

「はい、とれたよゴミ」

「マイペース過ぎて怖いよ幸村様ぁああ」



ハッピーバースデー幸村精市!









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