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  ×××




私が入ると、自動的に光がついて


ぱんぱんぱんぱんぱんと職員室(仮)にクラッカーの音が響いた。


ぱちぱちぱちぱちぱちと拍手の音も



私の目の前には幸村様が花束を持って立っていた


すっごく様になっていた。
やばい、幸村様は花束を持っているだけで仕事になりそう。


「一週間おめでとう」

「え?」

「ほら、これみんなから。受け取りなよ」

「は、はい」


花束を幸村様から貰った後、周りを見渡して、真田に――弦一郎に視線で問い掛ける。

すると弦一郎は前でも向いてろと顎でくいっと幸村様のほうを差した。



「男子テニス部マネージャーを一週間ちゃんと続けられたのは君が初めてだよ。一週間、とてもありがとう。聞いた話しによるとテストがあったあの日も、追試終わった後に部室掃除してくれてたんだって?」


それに、その袋に入ってる予備のテーピング用のテープと大量の医療器具

自腹で払うなんて太っ腹過ぎるよ。と幸村様が笑う。
それにつられて、男テニの部員全員が笑った。

合計六十人を越える大所帯である男子テニス部がみんなして、職員室(仮)に入っていた。


恥ずかしい。
なんだよ、まるで
私がマネージャー仕事楽しんでいるみたいにみんなしていって。

違う、好きなんじゃない。
しょうがなく、やっているだけで
違うから。


そう思って仁王を見てみる。
仁王は柳生を弄りながら楽しそうにしていた。

いや、あいつは誰だっていじってたら楽しそうなやつだったか。
うん?
でも、そういえば今日切原の横にいた仁王はもっと身長がデカかったような……?
まあ、気のせいか


後ろにいる柳と切原は幸村先輩のところに移っていた。

背後にはもう誰もいなかった。

背負い投げはもう出来ないのであった!

幸村様を見る。
彼は柳と話して、後ろにいる部員に話している。
どうしたんだろう。



「………うん。じゃあ、それで。広瀬、前向いといて」

「うん、え、なに?なにかあるの?」

「あるよ。………蓮二、じゃあ、準備はいいね?よし。気を付け!」


幸村様の、部長としての声が響いた。
体が強ばる。

「礼。ありがとうございました!」

そして、部活の、マネジメントをしていたみんなが私に頭を下げた。


柳も切原も、仁王も柳生も、真田も幸村様も
山梨に浦山に木原に溝田に――いっぱいのテニス部部員が一同に頭を下げたのだ。

びっくりしたし、凄く嬉しかった。

マネージャー、頑張ってよかった。
やってて、よかった


幸村様は、頭をあげる。
それにつられてみんなも頭を上げた。


「これからも、こんな立海男子テニス部をよろしくね広瀬」



私は、嬉しい過ぎて涙を流してしまった。















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