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  ×××









▼職員室前にいたりする。
ピッキングしたという仁王はいなくなってて、職員室の中は真っ暗だ。
柳に導かれて、来たはいいものの、本当にはいっていいのか?



「……これ、開けんの?」

「開けなければ、お前は……」

「……お前は?」

「………………」

「なに?!なにかあるの!?えっ?はい?なに?なんなの?何かあるの?!」

「いや、別にないけど」

「なんのふりー!」


期待しちゃったよ―!

めちゃくちゃ期待しちゃよ―!



「つうか、なんか職員室の方から雄叫び声が聞こえてきません?」

「あ、うん。聞こえる」


まるであのジャッカル兄貴の雄叫び声だ。
それに、幸村様のあの美しい笑い声も聞こえる。

ここにいるぞ。
なんかテニス部みんないるぞ。
開けたらなんかそこは楽園だったばりに、テニス部がいそうである。



「開ける、んだよね」

「ああ、開けろ」

「開ける……――」


開けていいのか

開けていいのか?


ここ職員室で、夏休み近いテスト前なんだけど、入っていいのか?!

テスト用紙とか用意されてるから普通ははいちゃだめな時期なんだけど!?


「別に、テスト用紙少しみたぐらいでどうこうは言われませんって」

「言われるに決まってるだろ、切原、ばかか」


カンニングだぞ、それ。

そんなことしたら、怒られるわ。



「大丈夫だ。職員室は消えている」

「……大丈夫なんだ」

………
…?

「ちょっと待って、職員室は消えてるってどういうこと?!」


なにその世にも奇妙なの

ここが職員室だよ!
消えてないよ!


「入ればわかる」

「分かりたくない…」


開けたら異次元に繋がってるとかか?

なんだその未来の技術。

仁王は猫型ロボットかっ!


「開けないならば、俺が開けてお前を一本背負いしてから入らせるがいいか?」

「よくない!」

あっぶねぇ!
この人が参謀とかデタラメだ。
普通に苛立ってるヒステリックな人じゃん。

入らないなら柔道技って
一歩間違えれば死ぬ!



「分かった。分かった、開けるから、ごめん、構えるのやめて、まじで。開けます。開けますから」


手をかける

かけて、横に引くだけ


「…………」


やべぇ、後ろから二人に凝視されている。

こわいこわいこわいっ


ひく、引きますから。


やめてやめて、美人に見られても怖いから。怖すぎるから。


と、扉を開けよう


全て、それでオッケー



ガラガラと、扉を開ける










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