Giochiamo!(仮).
ふわふわとした感覚に目を覚ました。この感覚は前にも経験したことがあり、これは夢の中だということがすぐに理解できた。こういう時は大抵は伝説である彼らに呼ばれた時である。
『……なまえ』 「いたいた。何、夢に現れるなんて」 『……すまなかった』 「え?」 『ごめんなさい、なまえ』 「は、え、ん?」
いきなり頭を下げた二人(二体?)に混乱した。彼らは時と空間を操る神であり、こんなちっぽけな人間に頭を下げる必要なんてないのに。第一彼らが謝るようなことあった?
『危なく死なせる所だった』 「え?あ、あー…。でもそれは君たちのせいじゃないでしょ?わたしの判断ミスだったわけだし」 『違うんです…。私たちが貴女をそちらの世界に送ってしまったから、危険な目に遭っているのです』 『お前はそっちで死んではいけねぇ命なんだよ。なのに…』 「………はいっ、終わり!」 『『?』』
どんどん暗くなる二人の言葉を遮りパンッと手を叩いた。不思議そうな顔(といっても分かりにくいが)をしている二人を見て密かに苦笑した。
「確かにきっかけは君たちかもしれないけど、こっちに来るって判断をしたのはわたしだよ。だから君たちは何も気負うことはないんだよ」 『しかし…』 『いいじゃねえか、ディアルガ』 『パルキア!』 『なまえがそう言ってんだ。ホントにヤバくなったら助ければいい』 『……』 「二人共、ありがとう」
心配してくれて。その意味を込めて精一杯笑顔(になってるかわからないけど)を見せた。二人はやれやれと首を振り、笑ってくれた。
『さて、そろそろ起きる時間ですね。貴女の仲間達が呼んでいますし』 『具合も良くなったみてぇだしな』 「うん。あ、あとどれくらいこっちに落ちたポケモンがいるの?」 『そうだな…。正確にはわからねぇが、今まで捕獲した奴らはまだ半分も捕獲してねぇぜ』 「まだあれの倍以上!?」 『調べたら意外と多く落としてしまったみたいで…。あ、今まで捕獲した子達は預かりますね』 「うん」
そこで身体が薄れ始める。この夢から覚める合図だ。
「じゃあ、行ってきます」 『いってらっしゃい』 『いってらっしゃい。気をつけて』
そこでわたしの意識は落ちた。
『……大丈夫でしょうか』 『大丈夫だろ。そろそろなまえもどの世界に落ちたかわかるだろうし』 『だからですよ』 『お前は心配し過ぎなんだよ。あいつは案外図太いし、本人も言ってただろ』 『……そうですね』 『さてと、俺達も戻ろうぜ』 『はい』
『なまえ、お前に』 『神の加護があらんことを』
100913
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