02
今日は日曜日。久しぶりにこの町を歩いてみようと思う。昨日はお隣りさんとも仲良くできたし、幸先のいい新生活だ。そういえば幼なじみとは連絡してないけど、お母さんがやってるよね。あそこお母さん同士仲良いいし。それにあいつのアド知らないし、電話はめんどくさいし。外に出ると、ふわりと少し暖かい風が吹いた。もう春なんだな、とか暢気に考える。どうせだから、明日から通う学校にでも行ってみようか。わたしは見慣れた周りの景色を楽しみながら歩いた。








*******

「おお、変わらないなあ」


わたしの通っていた忍術学園中等部の校舎を見上げると、相変わらず大きくて懐かしかった。中等部の校門を少し行くと、先には高等部の校門と校舎がある。中高一貫のここは、二つの校舎を一つの渡り廊下が結んでいる。それぞれの校門からしか入門が認めていなくて、高校側の門から入るのが中学生の憧れだったりした。その憧れの高等部の門の前まできて思い出に浸っていると、校舎の中から人が出てきた。今日日曜日なのに、とその人を見ていると、相手もこちらに気づいたようだ。目が合った。


「………あれ?」
「え?」


ぱちり、とその人は目を丸くした。わたしの顔に何か付いてるかな。でもこの人、どこかで会った気がする。


「…あの、人違いだったら失礼ですけど…」
「は、はい?」
「もしかして、唯?」
「……え、」


え、あれ、どこかで見たことあると思ったけど…。もしかして、


「……庄ちゃん?」
「やっぱり唯だ!」
「うっそ、ホントに!?うわあっ久しぶり!」


庄ちゃん、黒木庄左ヱ門。わたしのいたクラスの学級委員長だった。昔と比べて背も高くなったし、何より大人っぽくなっている(高一に見えないんだけど)。


「いつこっちに?」
「つい三日前くらいかな。急だったし、休み明けには学校行きたかったんだ」
「へえ、じゃあ学校は忍術学園?」
「うん!」


久しぶりに会ったし、仲のよかったメンバーだったからか話しが弾んだ。庄ちゃんは今日、先生に補習を頼みに行ってきたらしい。庄ちゃんだったら補習なんて受けなくても十分なのに。庄ちゃんはこれから図書館に行って勉強するらしい。勉強し過ぎだよ。


「唯もどう?」
「うーん、お誘いは嬉しいけどまた今度。もう少し散歩したくてさ」


庄ちゃんと一緒にいたいけど、図書館に行ったら寝る自信がある。だから今日はぶらぶらすることに時間を使うことにする。今から。


「そっか。じゃあ明日ね」
「うん、ばいばい!」


曲がり角で手を振りながら別れた。これをしたのは何年ぶりか。


「あ、アド聞くの忘れた」


散歩


‐‐‐‐‐‐‐‐
主人公には幼なじみがいます。ご察しの通り一はメンバーは中学からの仲となってます。彼女は一年生の一年間だけいました。金吾と喜三太は中二から転入してきたので主人公と面識はないのです。

100128
prev next top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -