ひなたぼっこ | ナノ


▽ 食堂でこんにちは

喜八郎くんと手を繋いで学園内を案内してもらってる最中、いろんな人に会った。四年生はみんな会えたかな。でも滝夜叉丸くんと三木ヱ門くんがどっちが先に自己紹介するかケンカしだして、結局ボロボロになった二人を喜八郎くんに紹介してもらった。

わたしは滝夜叉丸くんは美人で好きだけど個人的にあやや派かな。あとはどんな委員会があるかとか、こんな授業があるとか。アニメとか原作だけではわからないことも教えてもらった。


「そういえば、事務主任の吉野先生の所には行ったんですか?」
「うん。喜八郎くんに会う前にね」


既に会える先生にも、ちょうど職員室にいた食堂のおばちゃんにも会っておいた。吉野先生にも食堂のおばちゃんにも仕事は明日からでいいから今日は学園に慣れろとのこと。だから今は存分に喜八郎くんとのデート(違う)を楽しめるんだ。


「そろそろ昼の時間になるし、食堂行きません?」
「そうだね。もうそんなになってたんだ」


喜八郎くんといるとのんびりできてホントに癒される。トリップする前から好きだったけど、わたしの癒しっ子です!手を繋いだまま食堂に行くと、中から騒がしい声が聞こえてきた。今更だけど緊張してきてしまって、喜八郎くんの手を握ったら握り返してくれた(癒し…)。


「あらえりかちゃん、いらっしゃい。学園内は回れた?」
「はい!喜八郎くんに案内してもらったので。明日からよろしくお願いします!」
「それはよかったわ。大変だと思うけど頑張ってね」
「はい!」


定食はどっちがいいかしら?と優しく聞いてきたおばちゃんに涙がこぼれそう。おばちゃんの苦労を少しでも緩和できるように頑張らなくては!Aランチをもらって喜八郎くんと一緒に空いている席に座ると、必然的に集まるわたしへの恐らく好奇の視線(いやん、見せ物じゃないのよ!)。


「あ、えりかさんだぁ!」
「乱太郎くん。こんにちは」
「こんにちは!」


少し恥ずかしがりながら食事をしていると、昨日聞いたばかりのこのアニメの主人公、高山み●み様の登場です。いつもの3人組と1はのみんながこっちに近づいてきた(かわゆ…!)。


「乱太郎、この人は?」
「昨日から来た事務員のえりかさんだよ。食堂のお手伝いするんだって」
「ああ、噂の!」
「(噂の…)渡邉えりかです。よろしくね、1はのよい子達」
「「「οξρρτ!!」」」


するとみんな一斉に喋りだすから誰が何を言ったのかわからない。聖徳太子じゃないんだからわかんないって。そのあとちゃんと一人ずつ自己紹介してくれて、しっかりと顔と名前をインプットしたよ。キャラはすぐに覚えるんだよね、勉強は論外だけど。


「喜八郎!ここにいたか!」
「おやまぁ、どうしたの滝」


昼食を食べ終わった頃、このあとどうするか考えていたら滝夜叉丸くんが登場。どうやら喜八郎くんを探していたみたい。


「立花先輩が探していたぞ。委員会関係らしい」
「えー…えりかさんと一緒にいたいー」
「喜八郎!」
「あ、わたしは気にしないで!どうせだから事務の仕事今日から入らせてもらおうと思ってたから」


だからいってらっしゃい、と言うと喜八郎くんは一瞬悲しげな顔をしてから(なぜ?)手を握って来た。


「………また後で」
「うん、また後でね喜八郎くん!今日はありがと!」


へらりと笑いかけるとふわりと笑って返された(殺人的っす)。滝夜叉丸くんもこのあと用事があるそうで、一緒に行ってしまった。これからの時間だったら食器洗いくらいできるかな。


「おばちゃん、手伝いますよ」
「あらあら。今日は休んでていいのに」
「いいですよ。何もしないのも悪いですし」


ありがとうねぇ、と言いながら残り僅かな生徒分の食事を用意していくおばちゃんには尊敬する。さて、初仕事に取り掛かりますか!


実はまだ半日
(長い一日だな…)

090402→110624

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -