ひなたぼっこ | ナノ


▽ 保健委員会

渡邉えりかという少女と久々知が出て行ってから、天井裏にいた土井先生と山田先生が降りてきた。いるのは最初からわかっていたからさほど驚かない。


「いいのですか、学園長。あのような明らかに怪しい娘を学園に置いて」
「構わん、嘘を言ってるようには見えなかったからな。しばらく様子見も兼ねて置いておこう。怪しい行動をしたら儂に言ってくれ」


いつの間にか揃っていた先生方にも言う。納得のいかない先生もいたが、食堂のおばちゃんの苦労を減らすためだと言うと、何とか頷いた。よろしく頼むぞ、と言うと先生方は静かに頷いた。


「そういえば学園長、部屋はどうするのですか?」
「山本シナ先生、くの一の長屋はに空きの部屋は?」
「くの一長屋は満室ですよ。空き部屋はなかったはずです」
「「「……………」」」


一度は溶かれた空気が、再び凍り付いた。



***********************


学園に置いてもらえることになって、今は兵助くん(そう呼んでと言われた)と一緒に医務室に向かっている。兵助くんは結構わたしの言っていることに興味を持ったのか、仕切に聞いてくる(かわゆいな!)。


「あ、ここが保健室だよ」


どうやら着いたらしく、襖を開ける。そこにいたのは新野先生と乱太郎くんと善法寺伊作くん。いさっくん萌え…!ちょ、不運委員長が…生いさっくんだよ乱太郎もいるよ萌え萌え萌えはあはあはあ…!


「あれ、久々知どうしたの?」
「この子が怪我したので手当てしてもらいに来ました」
「お、お願いします」
「そっか。じゃあ怪我を見せてもらえるかな?私は善法寺伊作。伊作でいいよ」
「はいー」


……うん、かわいいけど子供扱いな気がするのは気のせいかな?あれか、身長か?わたし一応17歳だよ?


「私は1年は組の猪名寺乱太郎といいます」
「(知ってるけど)乱太郎くんか。事務員になりました、渡邉えりかです。よろしくね」
「へぇ、えりかちゃん事務員なんだ。変わった着物を着てるね。くの一じゃないの?」


頬の手当てを終えたらしい伊作くんが、今度は足に取り掛かりながら聞いてきた。……これは完全に年下だと思われてるな。


「これは南蛮の着物で…。それに17歳ってくのたまに入れないんじゃないかな?」
「「「………え、」」」


ピタリ、という効果音が相応しい。うん、綺麗な顔が固まってるよ、写メりたい!


「え、17って…年上!?」
「てっきり2、3つ下かと…。てか思い切りタメ口ですみません!」
「いやいいよ今更。むしろ嬉しいもん。気にしないで!」


わたしが年上だと知って慌て出した3人を見て、複雑な心境だ(かわいいからいいけどね!)。でもそんなに小さいかな、小さいけど。あと南蛮衣装については丸っきりスルーなんだね、よかった。


「今いいかい?」
「土井先生。部屋の用意ができたんですか?」


現れたのは土井先生。………やばい初恋の人ktkr!全国の女の子の初恋は土井先生か利吉さんだと思うよ!


「手当ては終わったようだね。一応用意はできたから迎えに来たんだ。着いて来てもらえますか?」
「はい。あ、手当てしてくれてありがとうね!たぶんこれから食堂にお世話になるから、もしよかったら話しかけてね!」


後ろからはい!とかわいらしい返事が聞こえて、顔がニヤけないようにがんばった。やべえ食いてぇ


「私は土井半助…って知ってるかもしれませんが、これからよろしくお願いします」
「渡邉えりかです。えりかでいいですよ。あ、敬語はやめてください。わたしの方が年下ですから」
「そうですか、わかりました。……ひとつ、えりかさんに言っておかなければいけないことがあるのだけど…」


そう言うと、土井先生は気まずそうに視線を泳がせた。何か言いにくいこととかあるのかな?


「何ですか?」
「……部屋がくの一長屋に空きがなくて…」



「忍たま長屋に住んでもらうということになるんだ」





マ ジ で か
(ベタだけどおいしい展開ありがとうございます!)

(えりかさん?うわっ、固まってしまった!)
((幸せや……))


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ベタだけど
てか新野先生空気←

090331→100119

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