ひなたぼっこ | ナノ


▽ びっくり

〜前回のあらすじ〜
夜、幸せな気分で眠りについたのに、目が覚めると森の中。しかも変なおじさん達に誘拐されかけて、いきなり死亡フラグ!?とか思ったんだけど、助けてくれた人を見たら…、久々知兵助…!五年の豆腐小僧だよ!(大好きです)え、何であらすじやってるのかって?言ってる本人が一番混乱してるからだよ。今まとめないといつか爆発する自信が大いにあるからね。


「おい、怪我してるけど大丈夫か?」


はぅえ!?一人漫才やってたら豆腐小僧(定着)が半ば呆れながら聞いてきた(かわゆいな!)。っては!支えられている=お腹の贅肉が触られている。最悪や!!


「だだだ大丈夫です、別にこれくら…った!」
「うわっ、やっぱり」


大分吃ったちゃったけど豆腐小僧は気にしないで、またこけかけたわたしを支えてくれた(ほんますんません…)。どうやら引っ張られた時に足をくじいてしまったみたいで、右足首が既に赤く腫れてきている。


「顔の腫れも酷いし、送るから家教えてもらえるか?」
「え、家…?」


家ない。だって夢だし。でも本当にトリップしたかもしれない。怪我は痛いし目の前には久々知がいるし。そんなこと言ったら家どころか知ってるとこ何てあるわけない。


「家、ないんです…」
「え、ないって…どういうこと?」
「信じてもらえないと思うんですけど、たぶんわたしこの世界の人間じゃないんです。だから家とか無くて…」
「、は…?」


夢かな、とも思ったけど確かに足首は痛い。これで夢だったらわたしはとんだM女だ(それは勘弁)。だったらトリップしたと考えていいんじゃないかな?わたしが正直にそう言うと、久々知は怪訝そうな顔をして、明らかに警戒の色を見せた。当たり前だけど…そういう反応が普通なんだろうけど、流石に悲しい。やっぱり頭がおかしい奴とか思って置いて行かれるのかな。いや、それは遠慮したい。だってせっかくの萌えキャラとの出会いが…!


「確証はありませんが、今よりもっと未来から来たんです」
「…何、言ってるんだ?」
「本当です!それに帰り方とか知らないし…」


そういえば知らないじゃん、帰り方。ここで馬鹿にされて置いて行かれたらきっとわたしは何もできないし、行けない。路頭に迷ってしまう。だったらせめて知っている忍術学園に行きたい。


「……とりあえず、家無いのは本当みたいだな。見ない格好してるし」
「し、信じてくれるの…?」
「どちらにしろ忍術学園に行けばわかるだろ。一応怪我してるし…」


有り難くも久々知は警戒しながらもわたしを忍術学園に連れてってくれるらしい。なんて優しいんだ、兵助…っ!久々知はわたしのかばんを持って来て(なぜか落ちてたのよ…!)、ひょいとわたしを持ち上げた。夢のお 姫 様 抱 っ こ !


「ちょちょちょちょっと!重いでしょ!降ろして!(恥ずかしくて死ねる…!)」
「いや、だって君足怪我してるから歩けないだろ。これの方が早いし」


わたしの心が持ちません。結局そのまま林の中を突っ切って行く。わたしは恐くて、でも夢のお姫様抱っこを堪能すべく、久々知の首に抱き着いた。………今死ぬ気弾撃たれたら後悔しないで死ねる。


「あ、そういえば名前」
「名前…あ、」
「俺は久々知兵助」
「(知ってるけど)わたしは渡邉えりか。よろしくです!」



山賊に少しの感謝と哀悼を
(ごめんなさい、)(でもありがとう)


100621修正

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