ひなたぼっこ | ナノ


▽ 作戦会議

学園長から告げられたのは「えりかさん奪還作戦」。五、六年生が中心になってえりかさんをドクタケから救出するということだ。先生方は極力手を出さないで生徒たちに任せるらしい。そこで六年生が中心に作戦を練る。


「ちょっといいかい」
「利吉さん、何ですか」
「これがドクタケ城の城内地図だ。それと私もこの作戦に参加させてもらいたい」
「しかし…」
「あの時追いかけなかった私にも責任はある。先生方の許可もいただいた」
「…わかりました」


作戦を練るのは立花先輩率いる作法委員会。そこに善法寺先輩や中在家先輩も加わる。三郎や兵助も入っている。兵助は隠しているけど焦っているのがわかる。きっと、誰よりも心配している。一番長く付き合っているから無理もない。


「不破先輩…」
「ん?」
「えりかさん、大丈夫でしょうか…」


僕の忍装束の袖を引く乱太郎や怪士丸を見て、くすりと笑ってから頭を撫でた。心配しているのは兵助だけじゃない。平然としているように見える三郎だって、落ち着きがない。八も下級生を宥めながら不安そうに笑っている。下級生は勿論、六年生ですら。仕切っているのは強要されたわけでなく自らの意思でやっているのだ。勿論僕だって心配しているし、不安だ。顔にださないように笑顔を絶やさない。


「つーかドクタケだからそんな気負うことなくないですか?」
「きり丸…」
「あいつら馬鹿だからどうせ『食堂のおばちゃんの料理が食べたいから』とかじゃないっすか?間違ってえりかさん攫ったとか」
「「「「(有り得る……)」」」」


流石きり丸、鋭い。でもこの子もさっきからそわそわしている。言っても不安なのだ。少しだけ、場の雰囲気が軽くなった気がした。


「まあ相手が誰であろうと用心に越したことはない」
「…大丈夫だ…えりかさんは、必ず助ける…」
「……はいっ」


中在家先輩が近くまできてきり丸の頭を撫でた。落ち着かせる力を持っているこの人には感服する。


「よし、では作戦を言い渡す。各委員長の下に集まれ」


さあ、ここからだ。


作戦会議


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長いですがもう少し続きます。
100311

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