ひなたぼっこ | ナノ


▽ 体育委員会

洗濯物を干し終わった頃、いきなり現れた小平太くんに嵐のようにさらわれた。連れていかれた先は門の前。小松田くんに渡された出門表に名前を書かされて、体育委員会のメンバーの前に立たされた。誰かこの状況説明してください。


「小平太くん…?」
「よし、全員揃ったな!じゃあ行くぞ!」
「え、ぎゃあっ」


なんの説明もないままに小平太くんに担がれて、そのまま走る。いや、マジで誰か説明して!一人で内心パニクっていると、後から金吾くんを背負って走ってきた次屋くんが説明してくれた。


「すみませんえりかさん。七松先輩が急に『人を担いで裏裏山まで行くぞ!』とか言い出して…」
「……もしかして人数足りないからわたしが呼ばれたの?」


そうです、と次屋くんは困ったように頷いた。遅れてシロちゃんを背負って走ってきた滝夜叉丸くんもすみません、と頭を下げた(既に顔が赤くて青い)。小平太くんは気づいた様子は一切なく「いけいけどんどーん!」と言いながらスピードを上げている。


「わたしは大丈夫だけど二人とも大丈夫?後輩を背負って走るなんて無謀な…」
「仕方ありませんよ、七松先輩ですし」


二人ではぁ、と盛大にため息をついた(よっぽど苦労してんだね…)。小平太くんはそこでいきなりさらにスピードを上げ始めた。え、ちょっと待って二人が着いてこれてな…、ってか次屋くん林の中に入ってっちゃったよ!?このタイミングで!?滝夜叉丸くんはそれに気づいて後追ってっちゃったし…。


「こ、小平太くん、二人が着いて来てな…」
いけいけどんどーん!!
人の話しを聞けぇぇええ!!!!


後輩の苦労
(図り知れない…)



(こへーたく…、そろそろ気持ち悪いぃ…)
(何!?あれ、そういえば平達はどうした?)
(今更気づいても遅いわ!!)

090524→100120

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