ひなたぼっこ | ナノ


▽ 午後のひとこま

食堂での仕事が一段落し、休んでいいよとおばちゃんに言われたので椅子に座って休憩中。おばちゃんがお茶まで出してくれた。そういえばまだ五年生と六年生に会ってない。二、三年生には食堂で顔を出した時にいたから自己紹介できたけど、上級生とは入れ違いになったらしい。大好きな学年なだけあって残念。鉢雷とか竹久々とかタカ久とか文仙とか留伊とか…あ、文食も好きだな!(自重)


「下級生は純粋でいてほしいから汚さないんだよね。上級生は何でもありだし…」


うふふ、なんて人目も気にせず(誰もいないけど)妄想に浸る。それにしても今日はいい天気。ちょうど日の当たる場所だからお昼寝には最適だ。どうせこの時間帯なら誰も来ないし…少しくらいいいよね。わたしは静かに目を閉じた。



******************


「………い、…れだ?」
「……から…の……」


…?声が聞こえる。待てよ、この高くも麗しいこの声は…っ!


仙ちゃんっ!
「「「「「!?」」」」」


ガバッという表現が似合うんだろうな、と思うほど勢いよく起きたら、目の前に広がる抹茶色。会いたかった六年生勢揃い。鼻血が出そうです


「おい、お前は誰だ。なぜ私の名前を知っている」
「仙蔵、そんな言い方ないでしょ」
「あ、いいよ伊作くん。いきなりごめんね。はじめまして、事務員及び食堂の助手として来ました。渡邉えりかです!」


わたしがそう言うと、みんなは納得したようにあぁ、と呟いた。そこまで噂になってるのか、小さい年上の女の人ってのが。みんな順々に自己紹介してくれた。


「この時期に来るなんて珍しいな。また学園長の思いつきか?」
「留さん、そんな言い方…。でもそういえば僕も気になってた」
「あー…えっと。わたし家が無くなっちゃって、さ迷ってた時山賊に襲われてね。そこを兵助くんに助けてもらって、それで忍術学園に連れて来てもらったの」
「それで事務員として雇われたのか」
「うん」


その通りです文次郎くん。目の下の隈が酷くて年下に見えないけど15歳の文次郎くん。ヘタレはかわゆいなー


「……」
「?」
「それよりこんな所に寝てたら風邪ひくぞ?」
「んぇ?てかもう夕方!?」


そんなに寝てたのか。既に日は傾き始めていて、少し肌寒くなってきた。小平太くんがわたしに抱き着き(覆いかぶさり)ながら部屋に行こう!と言ってきた。なにこれときメモか


「ごめんね小平太くん。わたしこれからおばちゃんの手伝いしないと…」
「えーっ!いいじゃないかちょっとくらい!」
「………小平太、あまりえりかさんを困らせるな…」


長次くんが小平太くんを引きはがして諭してくれた(この子達ホントに15歳か?)。長次くん、嫁にしてください


「おい、顔がニヤついてるぞ」
「マジでか」


無意識でしたよ、危ない危ない…。






ふたつ年下
(……見えねぇ)


090402→100119

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