ジョナサンとジョルノと定助

今日は早めに上がっていいと言われたので、ありがたく帰宅している途中、見慣れた人影を発見した。がっしりとした長身と、それに並ぶ細身の学生服。


「ジョナサーン、ジョルノー!」
「あ、洸!今帰りかい?」
「うん。ジョナサン達も?」
「たまたま帰りに会ったんですよ」


近寄って隣に並ぶと、ジョナサンの腕には彼の息子である定助がスヤスヤと寝息をたてながら抱かれていた。成る程、保育園の迎えの帰りらしい。ジョルノの通う高校も近くだった筈だ。


「洸さん、今日は早いんですね」
「うん。平日だし、仗助くんが来てくれた時点で人溢れちゃって。早く上げてもらったんだ」
「そうですか(仗助ザマァ)」
「?何か言った?」
「いいえ何も」


そう言いながら自然と手を繋いでくる辺りクールというか、そんなん女の子にしたら惚れちゃうよ。細身だけれどそれは隣に規格外の人間がいるから余計にそう見えるだけで、実際彼も鍛えているらしい。身長もわたしより高いししっかり男の子だ。どうしてこうわたしの周りはイケメンばっかりなんだ。


「今日うちでご飯食べて行くかい?鍋にする予定なんだ」
「いいの?是非ご馳走になりたい!」
「勿論さ!ただ、これから買い物に行くから手伝ってもらわなくちゃあならないんだけど…」
「そんなの平気だよ。いつものことでしょ」


何ていうか、素敵な家族だなあとか思いながらわたしも並んで歩く。何だかんだ10年以上側にいて、保育園に通っていた手を繋ぐ彼も今は高校生だ。歳をとるわけだな、と感慨に耽る。


「洸は僕ら家族の一員だからね!遠慮なんてしなくていいんだよ!」
「そうですよ。僕はうちの家族なんかより断然洸姉さんの方がいいです」


ああもう!何でそんなに嬉しいこと言ってくれるんだろう。


「大好き!!」


僕もだよ、僕もですよ。両隣から聞こえた返事にこそばゆくなり、にやけながら下を向いた。幸せっこういうことなんだろうな。

140921
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