ジョセフとジョニィ

せっかくの休みの日にブランドー家の大黒柱に「昼飯を作りにこい」という一方的な電話を受け、いつものことなので諦めながら向う途中、そのお隣であるジョースター家の前で2つの人影を見つけた。


「ジョセフー、ジョニィー」
「あ、洸」
「洸ちゃんじゃあないのォ。どったのー?」
「DIO様様にお呼ばれしたんだよ。もてなすのはわたしみたいだけど」


DIO、という名前を出したら2人はあからさまに嫌そうな顔をした。そういえばこの子達(あと承太郎)はジョースター家の中でもジョルノ以外のブランドー家が苦手、というか嫌いらしい。長く付き合ってはいるがどうも反りが合わないらしい。


「ところで君達は?何してるの?」


さっさと話題を変えた方がいいと思いなんでもなかったかのようにジョニィに質問を振った。大怪我で車椅子生活になってから表情を出すことが極端に減ったジョニィが、待ってましたとばかりに瞳をきらきらさせながら口を開く。


「ぼくたち、これからジャイロの家に行くんだ。それから遊園地にも!」
「へえ!ツェペリさんのとこ?」
「そうそう。シーザーちゃんが車出してくれるっていうからサ、こいつら仲良いし折角だから一緒に遊びに行こうって話になったわけ!」


ツェペリさん家のシーザーくんとジャイロくんとは不思議なことに兄弟仲良くしており、歳は違うもののジョースターの2人は事あるごとに彼らと行動を共にする。仲良いのはいいことだよ。親友がいるのって大事。


「シーザーくんの運転なら安心だね」
「もちろんだよ。むしろジョセフ兄さんの運転ならいくらなんでも行かないよ」
「ええええ!?何でだよォ!?」
「そのままの意味でしょ」


ジョセフはバイクも車も船も(何故)運転できるが人を乗せると事故直前の危険な運転になる。というか運転は普通なのに反対車線から車が飛び出して来たり、山道なら山崩れに遭ったり、ギリギリ回避はするもののそんな毎回遭ってたらたまったもんじゃない。


「それにしてもおっそいな〜、シーザーちゃん」
「別にまだ時間じゃないし…って、言ってたら来たね」
「あ、来たの」


ジョースター家のファミリーワゴンとは違い、可愛らしい軽自動車が見えた。と、自分のズボンのポケットに入れていた携帯が震えたのに気づいた。慌てて画面を開くと、DIOから着信とメールが立て続けに入っていた。若干引いていると、またメールが。そして添付。

わたしの涎を垂らしながら寝ている写メ。


「……………………………」
「あン?どうしたのよ、洸?」
「ごっめーん、わたし行くわーー」
「え、洸も一緒に行かないの…?」


そんな可愛い顔されたら行きたい!でも!これは!!


「ごめんね、また今度誘って」
「ていうか洸、顔赤いのか青いのかわかんないひっでーことになってんだけど?」
「……う、うん。ん?何でもないよナンデモナイ」
「え、ええ?」
「じゃあ!!またね!!!」
「あ!」


シーザーくんとジャイロくんに会いたかったなあでもこれちょっとDIO締めないとこの野郎覚悟しとけよ。承太郎に言ってやる。


140920
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