ほら、目が覚めたら赤ん坊で外に捨てられてたのを思い出せばその時より…いや同じ?下手したらそれ以上に思考が真っ白になる出来事かもしれない。だってさ、わたしの目の前にはニコニコと笑うじいちゃんと、その腕にはこれまた可愛らしい赤ん坊がすやすやと寝てるんだもの。しかも二人。
「スイレン、こいつらはお前の弟じゃ」
多分わたしの後ろの皆も同じ顔してるんだろうなあ(現実逃避)。
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じいちゃんは仕事があるとかで、二人を置いて出ていってしまった。どうすることもできないわたし達はとりあえずマキノさんを呼ぶ事になった。わたしの世話はほとんどマキノさんがやってくれたしね。
赤ん坊の名前は、黒髪がエース、金髪がサボというらしい。髪と言ってもぱさぱさと生えている程度だけど。
「(弟、)」
そういえばナルトもこんな感じだったなあ。あの時わたしはもう少し大きかったけど、確かこんな感じだ。エースの頬を突くと、ぷにぷにしていて気持ちいい。サボにもやってみると、同じくいい感じの弾力が返ってきた。
「(かわいいなあ)」
弟かあ。わたしまたお姉さんになるわけだ。懲りずに突いているとマキノさんが入って来て、二人を見て「あら」と呟いた。マイペースだなぁ、マキノさん。いやここは寛大なのか?
「可愛いわね。名前は何て言うの?」
「こっちがエースで、こっちがサボだって。おむつとか、どうしよう」
「そうね、気持ち良さそうに寝てるから今の内に買ってきましょうか。スイレンは行く?」
「ううん、見てる」
「ふふ、わかったわ」
マキノさんはそう言うと、ドグラ達を連れて出掛けて行った。買い物には行きたいけど見ていたい。飽きないし。
「おいおい、あんまり突くなよ。起きちまうぞ」
「んー」
「聞いちゃいねぇ」
聞いてるよ。返事するのが面倒なだけだよ。この赤ん坊独特の肌触りはもう、表現できない。わたしも三年前はこうだったんだな、とそれを考えたらよくわからなくなった。三年前に赤ん坊って。
「ルルー、わたしがんばるね」
「お?おぉ」
もう二度と、一人にはさせないから。だからお姉さん、がんばるね。
誰の子供だとかは誰も突っ込まないからいいよね。だってじいちゃんだもん。
110317
やっと弟ズ出せた。タイトル俺の姉なのに漸く。暫くは弟ズは喋れませんが、夢主のブラコンにお付き合いください。