■ 面白い話
面白い話
『テツ、お待たせ』
正門で待っていた黒子に名前は笑顔で駆け寄る。
「行きましょう」
家へ続く道を二人で辿る。名前はマシンガントークをするように大好きな合唱のこと、バスケの話をし始めた。
『それでね、相手チームのエースとワンオンワ「名前」
名前はパッとマシンガントークを止めて黒子を見上げる。
「…ボクとゲームしませんか?」
『ゲーム?興味ない!それより、さっきの話だけど』
「お願いします」
『…………』
ムゥっと名前の頬が膨れる。幼なじみの見慣れた不機嫌そうな顔だ。
「ルールはボクから本を奪うだけです」
『何それ』
「全て奪ったら今度は名前が本を守り、ボクから奪われないようにするんです」
『それ、意味あるの?』
「ありますよ。当然です。ただし、奪った本を開いてはいけません。中を覗いたらメリーさんが来ます」
明らかに名前が何をたくらんでいるのかと睨んでいる。
『オカルトに目覚めたの?』
「非日常が欲しいだけです。あ、…それとゲームが終わるまで死なないで下さいね。やるからには全てが全力です」
『……?まぁ、やってあげても良いよ。そのかわり私が勝ったらお願い聞いてね』
黒子を軽く小突くと笑顔になる。
黒子は口元が緩み、怪しく笑う。
「…いいですよ。ボクの部屋に全て本を出しておきます」
あぁ、楽しみだ。
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