■ 二日で終わるゲーム



顧問が慌てて職員室へ駆け込み、その日からバスケ部は休みになった。

帰りは黒子から逃げるようにして走って帰る。
青峰がいなかったら名前は確実に死んでいた。

公園は小学生が遊んでいて、ここなら安全だと名前はブランコに腰掛けた。

そこでメールを受信する。昨日、来ないと思っていたメリィさんからのメール。

"私メリィさん。今ね公園にいルの。そのブランコあぶナいヨ?"


名前が目を見開いたと同時にブランコの鎖がガシャンッと音をたてて崩れた。

『っ!?』


ガクンとブランコから落ちる名前は尻餅をつく。
あまりの痛さに悶絶する。近くの大人達が駆け寄り、大丈夫かと声をかけた。






***






何故、黒子に本を開いたのがばれてしまったのか。
Diaryというタイトルの本の中身はタイトル通り日記だった。
しかもそれは本ではなく名前に対する愛の言葉が綴られていた。紛れも無い黒子の筆記である。

家に帰ると仕事で不在の親が置き手紙をしていたらしく机の上にメモがあった。
洗濯を頼んだと書かれており、名前はあとでやろうとメモを放る。

二階に上がってベットに飛び込む。体育館の件といいブランコの鎖といい、黒子はこんなことをして楽しいのだろうか。

携帯が鳴ると今度は黒子本人からのメールだった。


"ボクはメリィさん。今、名前の家の玄関にいるんです。開けてください"


窓の外を見ると、隣り合う部屋の向こうには黒子はいない。窓の鍵をかけ、カーテンを閉じる。

また携帯が受信する。差出人は言わずもがな黒子。



"ボクはメリィさん。我慢できなくて中に入っちゃいました。今、名前の部屋の前にいるんです"



名前は咄嗟にクローゼットに静かに隠れた。



「開けてください。開けてください…、名前さん。鍵は窓だけかけても意味ないですよ?」





ボクがメリィさん。貴女をください。

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