■ ツンデレの悩むこと
『テツヤー、部活まだ終わらないの?』
「まだです」
休憩中にイチャイチャとする二人を見ながら、黄瀬は何とも言えない面持ちだ。
『本屋ー』
「わかってます」
黒子が汗まみれなのも構わずに腕に抱き着く。
そんなときにマネージャーがやって来た。
「テツくぅーん!!」
「(桃井っち!?絶対にショックっスよね!?黒子っちに彼女がいるなんて聞いたら)」
黄瀬はとっさに黒子たちの前に出てバッと構えた。
「黒子っち!逃げるっブッ!?」
顔面の衝撃に黄瀬はよろける。
『(きょ、…巨乳パンチ!?)』
名前はショックで黒子のTシャツにしがみついた。
「桃井さん。今日も元気ですね」
『どうしよう…!?』
黄瀬が倒れまいと持ちこたえたが、桃井はキャーと黄色い声をあげている。
「テツくん!赤司くんが呼んでたよ!!」
『どうしよう…!?』
「わかりました」
黄瀬を黒子だと思い込んでいるのか桃井は抱き着いたままだ。
『テツヤ!胸は必要!?』
「え?」
キョトンとした顔で黒子が名前を見た。
『私!!胸が…』
ない、なんて言いにくそうに顔を歪めてTシャツを掴む。
「別に気にしてませんよ?」
ツンデレの扱いはお手の物です。
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