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コツコツと歩く地下牢の腐ったような臭いは酷くなっている。そして心なしか変な音が聞こえた。

『…呼吸の音……?』

「ですね」

サラッと言った黒子に名前は顔を青くした。腕にしがみついて歩みを進める。

『じゃあ…、まさか』

「何かいるんでしょうね」

足がガタガタと震える。

『い…、行くの?』

「はい」

ですよねー!?内心は半ば亡きべそでついていく。
黒子のロケットランチャーが邪魔すぎて困る。
はぁ、と溜め息をついた途端に目の前の壁が壊れた。

「『!?』」

砂埃が襲い、しばらくして視界が良くなった所で腐臭が充満する。

『くっさあああっ!?』

「臭いの元はあれですか…」

口元を押さえて黒子は目を細めた。
名前も壁の向こうのモノを見た。

『何あれ!?ゾンビ!?』

「ゾンビの派生したバージョンじゃないですか?」

背中に背負っていたロケットランチャーをガチャリて構えた黒子。待て待て!それを使う気か!?

そのゾンビは背中から五臓六腑が勢揃いで飛び出ている。名前は頭を狙うが当たらない。しかも銃声でこちらに気がついた他のゾンビが走って来る。

『のおおおおっ!!』

怖すぎ!黒子がロケットランチャーの照準を合わせている間に、ぞろぞろと集まってきたゾンビに銃弾を乱射した。もはや五臓六腑ゾンビどころではない。

「援護をお願いします!」

Hazard timeにはこんな描写があるのかと名前は涙目で思った。

ハンドガンが無くなれば投げ捨て、背中のマシンガンを乱射する。
返り血が飛び散り、素直に汚ねぇっ!!と思ってしまった。

マシンガンが無くなれば、それも投げ捨て、向かい来るゾンビに直接蹴りを入れた。

『おりゃあっ』

回し蹴りをしてアッパーをする。今なら体育の成績が上がりそうだ。

背後ではドンッと重たい衝撃波が来る。

「よしっ」

黒子がロケットランチャーを捨て、私の腹に腕を回し軽々と持ち上げた。

『ちょ!?テツヤ!?』

「多勢に無勢です!今の装備ではいくらゾンビでも限界があります」

俵担ぎで走り出す黒子に揺られながら地下牢を走った。

確かに装備はナイフしか無いが、今ならドラゴンと素手で戦えそうだ。

『でも!』

反論しかけた時にガクンと浮遊感。元々担がれていたから浮遊感はあったのだが、それ以上だった。

「なっ!?」

視界に崩れる床が入り、思わず目をつむった。

『(落ちる!!!!)』

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