■ mission...

誰かに名前を呼ばれて意識が浮上した。

『…ふぁ、ゲーム直ったの?』

大分、寝てしまった気がする。呑気にそういえば黒子の声が降ってくる。

「ゲーム?そんなのやってる暇なんて無いんですよ!?」

パンッと破裂音がしてハッとした。ガバッと起き上がれば知らない家。

『え?どこ!?ここ』

「忘れたんですか!?スペンサー家ですよ!さっきからゾンビと戦ってたじゃないですか!?」

ゾンビ!?と名前が言えば、銃を渡される。

『え!?ちょっ』

「援護してください!」

黒子が横倒しになった机から飛び出し、銃弾を乱射した。
名前は自然とトリガーを引き、引き金に指をかけた。スペンサー家のステージでは確か主人公と相棒の話だった気がする。

兄がHazard time sixのおまけステージでプレイ出来ると言っていた。

相棒は結局、ラスボスと一緒に窓から落ちてしまう。一人残された主人公は相棒が死んだと思い込んでしまうオチだった。

『(私の死亡フラグが!?)』

机から身を乗り出し引き金を引いて、確実に敵の頭を狙う。感覚でも染み付いているのか、弾の装填を自然な動作で行う自分に驚いた。

「…っ!!!」

黒子が至近距離にいたゾンビに右ストレートをかましフィニッシュした。

『……(ビビった)』

どうやらここはHazard timeの世界らしいと、何となくだが名前は察した。

「怪我はありませんか?」

『ないよ』

よく見れば、お互いに制服だが薄汚れている。黒子が戸棚を漁り、替えの銃弾を回収する。普通に言えばアイテムを取っている風景だ。

「スペンサー家もエグいことしますね」

ロケットランチャーをかづいた黒子が振り返る。どこでロケットランチャーなんぞを拾ったんだ?と名前は思った。

『…………そうだね』

ロケットランチャーに目が行ってしまう。彼には不釣り合いだと思った。

「行きましょう」

どこに?何て聞けない。恐らく、任務内容を忘れるなんてと怒られそうな気がしたからだ。

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