■ 1秒
大学にあがると同時に名前は上京することになった。
東京ではルームシェアをすることになっている。
まだ見ぬルームメイトに心躍らせながらも、名前は東京に渡った。
青く澄み渡る空は名前の心と同じくらい、ウキウキと晴々している。
シェアハウスのインターホンを押してしばらく待つと、ドアが開いた。
てっきり名前は女の子が出てくると勝手に思い込んでいたものだから、ドアの先の人物を見た途端に笑顔が崩れた。
「あ、今日からシェアする人ですよね。よろしくお願いします。ボクは黒子テツヤです」
だいたいそんなようなことを言っていた。
シェアハウスへ招き入れた彼は名前を一瞥すると、リビングへ案内した。
『私…、苗字名前です。よろしくお願いします…』
一気に下がったテンション。
黒子は会釈をした。
「ボクは誠凜大学二年です」
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