■ 5秒


「キャアアア!どういうことっスか!?」

 黒子のベットのそばで黄瀬が跳ねる。青峰も黒子と腕の中で眠る名前を見てリア充が、と呟いた。
 遊びに来た二人が勝手にシェアハウスに入ったのがついさっきのこと。
 時刻は8時くらい。

「…テツ、ついに襲っちまったのか…。出会って5日目の女を…」

「それ以上言っちゃダメっス!!」

 黄瀬が空気を読んでいるつもりなのか青峰を引きずってシェアハウスを出て行った。

 そして黒子が目を開ける。

「……騒がしいですね」

 ちょっとした重みが腕にあり、名前の髪がふわふわと散らばっていた。

『う…』

 名前が寒いのか縮こまる。布団をかけると、また抱きしめ直す。
 そして耳元で小さく呟いた。



「………好きです」


 言ってしまったと黒子は表情には出さずに恥ずかしさの余韻に浸った。


『……恋愛解禁』

 ポツリと聞こえた声に驚く。

「え?…というか起きてたんですか?」

『布団かけてくれたあたりから』

 顔だけ振り返る名前。
 黒子は相変わらずの無表情だが心の中は荒れ狂っている。

「…………」

『私もテツヤくんが好きなんだと思う。キスだって嫌じゃなかったし、抱っこも嫌じゃない。普通なら遠慮無く殴ってたもん』

 まだまだ年頃の女の子だと主張した。

「……しばらく家には帰れそうにはないですね」

『本当だね、』

 ちゅっと軽いキスをして、ベットにゴロゴロと転がった。



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