■ 3秒
結局、赤司、青峰、黄瀬を巻き添えにして始まった片付け。
名前は黒子に冷たい態度をとる。
それを面白いおかしく見ていた助っ人が黒子を嫌み半分に突く。
『接触禁止だっていったじゃない!』
「いや、でも…」
『ダメ!』
黒子の直しきれなかった寝癖がシュンとしおれる。その髪の毛に神経でも通っているのかと思うくらいだった。
「…はい」
「ぷくく…、テツ、ドンマイ」
***
夕方頃に青峰達を見送り、二人きりになった時にリビングで黒子と鉢合わせになる。
名前は知らんぷりして黒子の横を通り過ぎた。
「名前さん、」
パシッと手を掴まれ、引き寄せられる。
『!?』
「………」
ぎゅっと抱きしめられる。名前の鼓動が高鳴り、顔が熱くなった。
『ちょっ!?接触禁止!』
「ホームシックなんです。だからもう少しこのままでいさせてください」
耳元で呟かれた声に名前は驚き、仕方なく大人しくなった。
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