■ 2秒
朝ごはんの為に取っておいたゆで卵を潰しながら名前は黒子の声に反応せずに上の空である。
黒子は今日の荷物の片付けの為に助っ人を取り敢えず召喚した。
そして、ホワイトボードの自炊と書かれていた場所に、"ご飯は名前さん"と書き、侵入禁止、ホームシック可、恋愛禁止を眺めた。
『…食いやがれ』
食卓に並べられた、サンドイッチ。潰したゆで卵とマヨネーズを和えて、トーストに挟むという簡単なもの。
「あ、どうも」
寝癖を弄りながら椅子に座る。
***
ピンポーンとインターホンが鳴り、黒子がパタパタと玄関へ行く。
ガチャッと開けると見知った顔。
「テツ、用事ってなんだ?ストバスか!?」
「まぁ、取り敢えず上がってください」
「黒子っちのために仕事すっぽかしてきたっス!!」
久しぶりに会った彼らは黒子の友達でバスケバカである。
「それはどうも。ちょっとお手伝いをお願いしたいんですが」
黒子に二人は二つ返事をした。
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