■ 「キミが泣いている訳を教えてください」
放課後の校内を泣きながら私は歩いた。
寒い廊下は誰も居なくて、更に悲しさを倍増さる。
たまたま彼氏が別の女の子と一緒に歩いているのを見た。そして切り出された別れ話。
終業式が終わり空っぽになった校舎で私は泣きじゃくった。帝光中に響く啜り泣き。
私の足音しかしない廊下。
どんっ
『…ひっく、…うっ、ふぇ………?』
嗚咽が収まらずに何かにぶつかり見上げた。
「あ、すみません」
水色の髪の毛の男子生徒が振り返り謝罪をする。
『…ごめんなざいぃい』
鼻を啜り、再び歩き出した。
「あの、大丈夫ですか?」
手をそっと掴まれ、私はまた見上げた。
『……うぅ…、うわあああぁぁぁああ………』
途端に込み上げた涙が溢れて男子生徒の前でしゃがみ込んでしまった。
「…えと、すみません」
そっと背中を撫でてくれる。ポケットからティッシュペーパーを出して、私の鼻水を拭きハンカチで涙を拭いてくれる。
『ありがどううぅ…』
ズルズルと言葉を紡いでやっとの思いで礼を言った。
「キミが泣いている訳を教えてください」
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