■ 1秒
寝苦しくて目が覚めた。黒子は首に名前の腕、腰には足が巻き付いている。
「……………はぁ」
名前の大分伸びた髪をベットに散らせて黒子にくっていている。きっと本人は抱きまくら程度にしか考えていないのだろう。
「名前…、起きてください。暑いです」
名前が起きる前に黒子は無理矢理起き上がるとベットから下りる。
『うぅ…、ヤダァ…、テツ…』
「何が嫌なんですか」
呆れ顔で黒子が言うと、くっついていた名前がベットからズルリと落ちてきた。5年前に結婚をした二人は大学生からの付き合いである。
黒子が20歳の時に19歳の名前がシェアハウスにやってきた。そしてゴールインしたわけだ。
子供は女の子二人が良いと言っていたが、残念ながら男の子が一人生まれただけである。それでも黒子は溺愛しているから良いのだけれど。
名前は仕方なく起きるとカーテンを開けた。
『ふああぁぁぁ…』
伸びをして晴天の空を見上げる。隣には黒子も並ぶ。
「絶好のピクニック日和ですね」
『そうだねぇ』
ベットの近くにあるベビーベットを二人で眺めた。
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