■ 愛してた。

 帝光中を卒業して少し長めの春休みの残り数日。
黄瀬と黒子の携帯には名前から同時送信されたメールが届いていた。
 "入学式の日にまた会おう。会えなかったらさようなら。自分勝手でごめんなさい。"
 たったそれだけのことに黄瀬と黒子は胸を躍らせた。
 黒子は誠凜高校、黄瀬は海常高校に入学する予定だ。互いに進学先が違うのは知っていたがどこの高校までかは分からなかった。

「名前さんはボクの進学先を知っているのでしょうか」

 長い長い春休みがあと三日で終わろうとしている。
 誠凜高校へ進学が決まっている黒子。
 もし名前が空振りだったらどちらもフラれたということになるのだろうか。
 見え隠れする気持ちを押さえて自室のベットに転がる。枕を抱えてゴロゴロとするがイマイチ落ち着かない。



 運命の再会まであと三日。騒ぐ気持ちを抑えるために枕を抱きしめた。




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