■ ギリギリ合格点、ですね
「ボクが好きなら誠意を見せてください」
『へっ!?』
黒子が名前を引き寄せると腕に収める。早くと言わんばかりに黒子は名前の髪に指を絡ませ、更に密着した。
「ほら、お子様挽回のチャンスですよ?」
『えと、まってください』
頭をフルパワーに開店させ、黒子の唇を見た。
「ほら、早くお願いします」
『あ、うううっ!!し、知りませんからねッ』
黒子の唇に唇を重ねた。柔らかい感触に若干驚くが、羞恥が勝り顔が熱くなる。
すぐに離れると名前は顔を見られぬように伏せた。
「よく頑張りました。ギリギリ合格点、ですね」
黒子がそう言うと名前は素っ頓狂な声をあげる。
『ギリギリ…?あんなに頑張ったのにですか?』
「ギリギリです。だいたいキスってこうやるんですよ」
後頭部を押さえ付けられ、黒子と唇を再び重ねる。
べろりと舌でなぞり、思わず口を開けば舌が侵入してくる。
『ふぐっ!?』
驚いて声を漏らすが黒子は構わずに角度を何度も変えてキスをした。
これぞ大人のキスなんだと思いながら黒子に必死にしがみついた。
年上の黒子くんと私。
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