■ しおらしいとか似合ってません

また名前は黒子の部屋に不法侵入をする。


『テツ…』

前よりはマシだが顔面が涙と鼻水でぐちゃぐちゃの状態で入ってきた。
さすがの黒子もギョッとする。

「少し待っててください」

黒子が部屋を出ていって名前はよたよたと床に寝転がる。幼なじみだからなのか互いに馴れているからなのかはわからないが遠慮はいらないし、してはいけないという暗黙の了解が名前と黒子にはある。

床でのびのびするのも抱き着くのも全て遠慮はいらないからである。


泣いていた名前はウトウトとし始め、終いには寝てしまう。
黒子が部屋へ戻ってきた頃にはすっかり爆睡。

「あれ?名前?」

黒子が名前を抱き起こすと寝ていることに気がつきベットに寝かせる。

そして濡れタオルで顔を丁寧に拭き、瞼が腫れないように電子レンジで30秒程、温めた濡れタオルを乗せた。

時計は23時を回る頃で黒子はあくびをして伸びをし、電気を消した。
そして名前の温めた濡れタオルを取り、自分もベットへ入る。



「名前がしおらしいとか似合ってません。…元気な名前がボク好みですね」

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