■ 隣にいてあげてもいいですよ?
「ねぇ、名前」
泣き止んだがすっかり黒子にくっついたままの名前が何、と答える。
「別れた彼氏さんのこと、まだ好きなんですか?」
『なんで?』
「今はボクが質問しているんです。答えてください」
床に座る名前を後ろから強く抱きしめる黒子。
『……思い出すと、涙がでる。同時になんであんな人が好きだったんだろうって疑問に思うの』
素直に答えた彼女の頭を撫でながら黒子はそうですかと言った。
「それはきっと、名前さんが未練を持っているから思い出す度に泣いたり、疑問に思ったりするんですよ」
『そうなのかな…?』
「そうですよ。だから、悲しくなったら来てくださいね?そのときは、隣にいてあげてもいいですよ?」
優しく微笑んだ黒子の顔が視界に写り名前が思わず微笑む。
『そうするよ』
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