■ 01
彼女曰く、その国は軍事国家。
彼女曰く、その国を支配するのは王族。
彼女曰く、その国を支えるのは哀れな奴隷。
彼女曰く、その国を守るのは軍人。
彼女曰く、その国を脅かすのは契約者。
彼女曰く、その場所はα線と呼ばれる世界線。
彼女曰く、ボクもキセキも彼女自身さえも契約者。
Act01
彼女が5年ぶりに帰ってきた。いつ、どこで、何をしていたかと聞いても返ってくるのは"α線"だという。
α線といえば陽子と中性子が2個ずつ集まって出来た放射線の一種だ。それは運動エネルギーが高いが紙一枚通り抜けることができない。
そんな危険な場所にいたのかと更に深追いすると、
『殺し合いばかりしていたんだけどね』
と返ってくる。ますます分からないし、物騒なことこの上ない。
そんな彼女の名前は赤司名前。そんな雰囲気がなくても黒子の恋人。
赤司と同じく小柄で深紅の髪をもち、双子であるが似てはいない。
ただ名前は兄である赤司を慕っている。"オヤコロ"も真似して言うようになった。
この話は5年もの隙間が空いたボク、黒子テツヤと赤司名前の話。
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