■ 02



教室は、仮入部に行った生徒か帰宅部希望の生徒が帰ったかのどちらかであるため、誰もいなかった。

『くっそ!!』

忌ま忌ましいキセキの世代。その中には含まれないが、幻のシックスマンの方がムカつく。一番、私へのイジメを楽しんでいた奴だ。

「女の子が暴言なんて良くないですよ?名前さん」

真後ろに立っていた黒子。別に怖くなんかない。

『なんでアンタが…』

「随分と生意気になりましたね。一軍のマネージャーになりたての日は心で悪態を吐きながらも敬語だったというのに…」

悲しそうな顔をしているが内心、楽しんでいるのが見え見え。

『もう関わんないで』

スクールバックを持って黒子の横を通り過ぎた。

「…明日が楽しみですね?」


丁度、真横を通り過ぎたときに呟く黒子。

出入り口前で私は立ち止まった。

『やれるもんなら、やってみろよ』

スッと天井を仰ぎ見て、横目で私を見る黒子は笑う。

「…上等です」

いけ好かない。

『バカッ!!』

バンッと引き戸を閉めて廊下を走り抜けた。

教室に残された黒子は笑顔だった。

「高校では、…何をしましょうかね?」

とても楽しいスクールライフになりそうだ。

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