■ 30



放課後、黒子を待っていると女の子が集まり、ザワザワとしているのが見えた。
どうしたものかと名前がチラリと横目で見た。
そこには金髪で長身、黄瀬涼太がいた。思わず固まってしまう。

黄瀬もこちらに気が付いたようで笑顔でこちらに走ってきた。
黄瀬の手にはサインペンが握られており、名前を見下ろしている。

「久しぶりっスね。相変わらずマネジやってんスか?」

『アンタには関係無いでしょ…』

脳内では怖いと思っている。でも、ここで引いたらきっと嘲笑がふってくるに違いない。

「中学の時は敬語だったのに、今は口調が汚らしいっスね」

ニタニタと笑う黄瀬が屈む。そして呟いた。

「…ねぇ、俺と付き合わないっスか?」

『やだ』

即答し名前は走って体育館に向かう。
黄瀬は驚いた顔で名前を見たあと、ニヤリと笑った。

黄瀬も群がる女子を置き去りにして名前を追い掛けた。











***











体育館のドアが荒々しく開かれ、黒子も火神も先輩もそちらを見た。

そこから飛び出してきたのは名前。すぐ後ろを黄瀬。

すぐさま、黒子が持っていたボールで黄瀬に向かいイグナイトパスをした。

名前がボールの横をすり抜け、黒子の胸元に飛び込む。黄瀬はボールを避けて尻餅をつく。

「名前さん、躾の成ってないゴールデンレトリーバーなんか連れて来ないで下さいよ…」

『いや、勝手に野良犬がついて来ちゃって…』

黒子に受け止められた名前が笑う。
その様子を見た黄瀬が立ち上がり目を見開く。

「ちょ…、黒子っちとどんな関係っスか!?」




すると黒子がふと笑い、名前を抱きしめる。



「ボクたち、付き合ってるんです。黄瀬くん、一足遅かったですね」





その後、海常高校との練習試合に来てほしいと黒子に言われ、名前は頷いた。

「ボクの新しい光とボッコボッコにしてやります」


フルボッコ宣言と共に名前にキスをした。












あとがき→

[ prev / next ]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -