■ 01
誠凜高校は新設校。キセキの世代はいない。私は誠凜高校でウッキウッキのスクールライフを堪能するのだ。
小さい時にバスケに恋した。しかし残念ながら運動はそこそこで、身長にも恵まれず、才能も無いので少し、かじっただけのペーパードライバーならぬ、ペーパープレイヤーだ。
だからマネージャーとして活躍していた。誠凜高校でもマネージャーをしようと思う。ここなら、あの忌ま忌ましいキセキの世代もシックスマンもいないはず。
***
『こんばんは』
仮入部をしに体育館を開けた。そこで知り合った先輩。私、ここならやっていけそう、と思った矢先。
「黒子はボクです」
『………!』
声がする方を向けばあの腹黒い笑みの青年がいた。
「あ、お久しぶりです。名前さん。卒業式以来ですね」
『ここで会ったが百年目ぇ!!しねっ』
手元のカゴからボールを一つ取り出し、投げつけた。
しかし黒子はボールをパシッと受け取るとゴールポストに放った。
「ナイスパスです」
しかしゴールポストに弾かれたボールは私に向かって飛ぶ。
顔面スレスレを通ったボールに驚いて私はヘタンと床に座り込む。
『ちっ』
「名前さん、良かったですね。これ以上、顔面が崩壊したら見るのも辛くなります」
もし、そうなったら誰のせいだ。やってらんない。
『すみません、仮入部は無しでお願いします』
カントクのリコ先輩がイヤアアアッと叫んでいた。ごめんなさい。
「金のマネージャーああああっ!!」
リコ先輩、嫌みですか…。
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