■ 12
『しねぇっ!』
これが1on1とは思えない。ボールを籠から取り、黒子へ飛ばす。黒子はそれを無表情で受け取り横へ投げ捨てる。その繰り返し。
「名前さん、1on1の意味、履き違えてません?」
『うるせー!!黒子にボールさえ当てれば勝ちなんだよ』
「……………」
『んだよ、スリーでもキメろってか?』
名前がスリーポイントのモーションをとり腰を低くした。
「……!!」
『(バスケなんか…)』
大嫌いだっ!!!!
ガコン
回転が少し悪く、リングに引っ掛かりつつスリーポイントを決めた。
「……シューターとしてはまだまだ健在なんですね」
黒子が言って静かだった体育館にざわめきが戻る。
『そうかもね。でも嫌いだから』
名前は体育館を出て行った。
「バスケまで憎い、ですか」
黒子は面白いと笑った。
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