披露宴の座席は自由だったから、わざと新郎新婦から遠い席を選んで、チビチビとお茶を飲んでいた。
「・・・##NAME1##さん、お久し振りです。
隣、いいですか?」
声が聞こえた方を見ると立向居君がいた。
「・・・久し振り。
どうぞ」
久し振りに会った立向居君は昔より大きくなって、立派な男の人だった。
「・・・立向居君、すごいよね。
見てるよ、Jリーグでの活躍」
「ありがとうごさいますっ!!」
ニコッと笑った笑顔は昔と変わらないな、って思った。
「・・・そういえば、##NAME1##さんは、まだ・・・」
目を反らし、歯切れ悪くモゴモゴと何かを言いかける。
「・・・どうしたの?
はっきり言ってごらん」
「・・・##NAME1##さんは、まだ円堂さんのことが好きなんですか?」
真っ直ぐに私の目を見つめる立向居君の言ってることが分からない。
なんで、立向居君が知ってるの?
誰にも言ってないのになんで?
いろいろな考えが頭の中をグルグルと回って、言いたいことがあるのに言葉が出なかった。
「・・・すみません。
あの、ちょっと移動しましょう」
フリーズしていた私の手を引き披露宴の式場を出た。
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