「すみません、隊長…」
「は?何でィ、テメェらしくねェ。明日は槍でも降るんですかィ?」
「なっ…!人が素直に謝ってるのに何ですかその態度は!!」
「それが素直に謝る人間の態度とは思えやせん」



(´;ω;`)みたいな顔で謝ってくる名前に俺はどうしようもなく戸惑って、ただそれを絶対に悟られたくなかったから、結局いつもの嫌味が口をついてでた。

内心苦笑しつつ、それでも自分は怒っている訳じゃないし、説教たれるキャラでもないし、ましてや慰めなんてできやしないから、これで良かったのか、なんて自問自答。



一番隊に名前がきて初仕事なんだから、失敗もあって当然。
このくらいは想定の範囲内だし、怪我人もなければ攘夷志士を逃がしたわけでもなし。
むしろ上出来の結果だと思う。
口に出しては言わないけれど。


「人が下手に出てみれば!何なんですか!いっつもいっつも!」
「俺は何ともありやせん。謝る理由がねぇだろィ」



俺は慣れてるし、今みたいなことだって初めてじゃない。
だから何ともない。
何ともないのに、

「でも……、ここ、今ついた傷でしょう…?」
「!!」


何だか今にも泣きそうな顔で、今さっきついた頬の切り傷を親指でなぞる名前。

不覚にもドキッとした。


20120922



 
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