「そういえば沖田隊長と見回りって何だかんだ初ですよね」
「そうだねィ」
今日は土方のヤローにお前が一人じゃさぼるから、と名前と見回りをするように言われた。
あの日以来、俺達の関係は確実に変わった、と思う。
それはきっと名前も感じているに違いない。
お互い絶対に口には出さないけど。
正直な話、俺は名前にどう接すれば良いのか、それどころか今までどう接してきたのかさえ、わからない。
ただもしその原因がわかった時、多分今の俺には戻れないと思う。あくまで多分だけど。
だから心の奥底では理解しているかもしれないその原因を、探ろうとはしなかった。
「沖田隊長!」
「!、何でィ」
「何でィじゃありませんよ。何回呼んだと思ってるんですか!」
「最後の一回しか聞こえやせんでした」
名前の声でやっと我に返った。
一体自分はどうしたというんだろう。
全く俺らしくない。
久々に仕事をしているからだろうか。
「…で、何の話ですかィ?」
「だーかーらー!林檎と梨、どっちが好きかです!」
「……」
「痛っ、何で叩くんですか!」
心底どうでもいい。
こんな奴のためにずっと悩んでる俺はアホか。
20120318
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