「おはようございます山崎さん!」
「よォ山崎」
「あ、おはようございます」


朝起きて食堂に行くと沖田隊長と名前ちゃんが一緒にご飯を食べていた。


以前なら食堂が混んでない限りは相席なんてしないのに、最近こういう仲良さげな場面を見掛けるようになった。

顔を合わせれば言い合いばかりの二人だったのに、少しは成長したな。


このまま違う席に座るのもあれだから、俺は二人のすぐ近くの席に座る。


「最近二人は仲が良いんですね」
「ああ、前よりは話すようになりましたね」
「こいつが寂しくて仕方ねぇらしいから相手してやってるだけでさァ」
「何言ってるんですか、隊長が寂しくて仕方なさそうな顔をしてるから、私が相手してあげてるんですけど」



また言い合いになった。
結局彼らはまだまだ犬猿の仲。

でも、それがなんとなく緩くなっていると言うか、悪意がないっていうか。
確実に二人の関係が以前とは違うものになっている、と俺は思う。

二人とも以前より表情が緩くなって、まるで言い合いを楽しんでいるんじゃないかとも思える。


今だってほら、相席してるのに俺なんて空気だよ。
まあこういうの慣れてるからいいけどさ。



ぶっちゃけ俺には二人がどんな心境で言い合いをしてるかなんて一目瞭然だ。

だてに監察の仕事をやってきたわけじゃない。


どっちもとは言わないけど、どっちかが少しでも大人になれば、この関係は確実に変わるのにな。


まあ、それを言ってあげるほど、俺はお人好しじゃないけどね。


20120319



 
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