始めて見る名前の表情に、何て声をかければいいかわからない。
こいつはちょっといじられたくらいじゃ泣くような奴じゃない。
「…名前、」
「沖田隊長のばーかばーか!!誰が好きになるか!!こんなもん!」
そう言って俺に紙袋を投げつけると走って行く名前。
「…ったく、何だって言うんでさァ」
そう呟いて、名前の投げつけてきた紙袋を拾う。
大体何でィこれは。
叩いたせいですでに中の箱は変形してらァ。
とりあえず、その箱を開けてみる。
「!、これは…」
中にはメッセージカードと、
『どこで手に入れたのか知りませんが、あんな趣味悪いものどこにも売ってませんでした。とりあえずこれで我慢してくださいね』
手縫いのアイマスクが入っていた。
「…何でィ。やっぱり俺のこと好きなんじゃねェか」
不思議と嫌だとは思わなかった。
それどころか、今の俺の表情はできれば土方なんかには死んでも見せたくない。
「とりあえず、このアイマスクに文句つけてやんねェとな」
名前を探して、俺は歩き始めた。
20120309
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