「そもそも性格悪いんですよね。女顔のくせして」
「そりゃテメーの顔より端正なのには違いねぇ。嫉妬は醜いですぜ」
「あーあ、これが歳上とか地球終了のお知らせです」
またやってんのかよあの二人。しかも通路のど真ん中。何で俺こういう時にばっか遭遇すんのかな。
「二人ともどうしたんですか」
「あ、山崎さん聞いてくださいよ!こいつ、自分が置きっぱなしにしてたのが悪いのに、アイマスクが汚れただの何だの。それを根拠もなく私のせいにしてくるんですよ?」
「え、根拠もなく?」
「茶こぼすようなドジを踏むやつはオメーぐれぇでさァ!」
「そんなドジ踏みませんし、それは根拠とは言いません!」
また言い合いを始めた二人を落ち着かせる。
もう夜なのに近所迷惑だ。
「アイマスクはどれくらい汚れたんですか?」
「俺だって、土方アンチキショーとは違ってちょっとぐらいじゃあ、嫌がらせをするくらいで済ませまさァ」
嫌がらせはすんのかよ、とツッコみたい。だが耐えろ、山崎退。
「でも見やがれ!こんな全面的に茶こぼされて腹立たずにはいられねぇ!」
「うわ、確かにひどいですけど、でも名前ちゃんがやったっていう証拠は…」
「ですよね!隊長そういうことなんで。その趣味の悪いアイマスクも買い換え時なんですよ」
「んだと!?」
その時俺はあることに気づいた。そして逃げ出したい衝動にかられた。
今日食事をしていたとき、後ろに誰かが当たって飲んでいたお茶をこぼした。
そのときとっさにそこにあった布巾でお茶を拭いた、けど、
あれは本当に布巾だったっけ…?
「へぇ、そんなことがねィ。おもしろそうな話だ」
「え…」
「誰かと思えばまさか山崎さんのせいだなんて…。私今怒られた意味ですよね」
「死ね山崎いいぃぃ!!」
どうしてばれたんだろう、とか。
またバズーカかよ、とか。
色々思った。
最近俺の扱いひどくね?
20120305
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