「何これ…」
「こっちの台詞でさぁ」
稽古場はしんとしていた。
俺たちの交えた剣は真っ二つに折れていた。
「隊長!何なんですかこれは!!こんななまくら誰が用意しろっつったよ!!」
「痛ぇな!俺に当たんな!!つかお前どんどん口悪くなってね?」
ああもう台無し、とつぶやく名前。
いやだからこっちの台詞だっつーの。
でも、とりあえず少しだけ名前という人物がわかったような気がする。
「名前、あんた女って事がコンプレックスなんですかィ?」
「何ですかその顔うざいです。消えてください」
「心配は無用ですぜ。一般的に女と呼ばれる奴はあんなゴリラみてぇな力は出せやせん。あんたは性別どころか生態の枠も越えてまさァ」
「うざったい男ですね。ひょろひょろ」
「そりゃあゴリラには勝てねーや」
「んだとこのやろ!」
言われっぱなしでたまるか。
やっぱりこうでなきゃ俺らしくねぇ。
20120302
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